性交類似行為とは?性交渉がないのに不倫慰謝料を請求される?その対処法と相場を弁護士解説

「性交渉はしていないのに、性交類似行為を理由に不倫慰謝料を請求されてしまったら、どう対処すればいいのでしょうか?」

弁護士として不倫や男女トラブルの相談を多くお受けしているとこのような悩みをご相談いただくこともあります。

そこで、本記事では、性交類似行為とは具体的に何を指すのか、そして性交類似行為でも不倫慰謝料が発生するのかについて詳しく解説します。

さらに、性交類似行為による不倫慰謝料の相場や、減額の可能性についても触れます。

不倫問題については、弁護士の助けを借りることで、支払い義務の確認や減額交渉を有利に進める方法を見つけることができます。

性交類似行為で慰謝料を請求された際の具体的な対策を知りたい方は、ぜひ最後までお読みください

1: 性交類似行為とは何か?

性交類似行為とは、性交渉に至らないものの、性交渉と実質的に同視し得る態様の性的な行為です。

具体的には口淫(オーラルセックス)や前戯、裸で抱き合うなどの行為が該当します。

このような行為でも、不倫慰謝料請求の対象となることがあります。

1-1: 性交類似行為の定義

性交類似行為の定義について詳しく説明します。

性交類似行為とは、性交渉そのものではないものの、口淫(オーラルセックス)や前戯、裸で抱き合うなど、性交渉と類似の性的行為を指します。

これらの行為は、肉体関係を持たなくても夫婦間の信頼を大きく損ない、夫婦関係の平穏を著しく害する行為と見なされます。

そのため、法律上でも性交類似行為は不貞行為とほぼ同様に扱われ、慰謝料請求の対象となることがあります

例えば、ホテルで裸で抱き合ったり、性的な行為をしている証拠を配偶者に発見された場合、それだけでも不倫として慰謝料を請求される可能性があるのです。

1-2: 性交類似行為と不倫の違い

性交類似行為と不倫の違いについて解説します。

不倫とは、一般的に肉体関係を伴う不貞行為(=性交渉)を指しますが、性交類似行為は最後まで肉体関係を持たない場合でも同様に不貞行為と見なされることがあります

具体的には、口淫(オーラルセックス)や前戯、裸で抱き合う行為などが性交類似行為に該当します。

これらの行為は、不倫と同じく夫婦関係の平穏を著しく害するため、不倫慰謝料請求の対象となり得るのです。

性交類似行為の場合、肉体関係を持つ不倫に比べて悪質性が低いとされることが多く、そのため性交類似行為による不倫慰謝料の相場は低額になることが一般的です。

しかし、それでも数十万円から200万円程度の慰謝料が発生する可能性があります。

このように、性交類似行為と不倫は性質こそ異なりますが、どちらも慰謝料請求の対象となる点で共通しています。

2: 性交類似行為でも慰謝料は発生するのか?

性交類似行為でも、夫婦関係の平穏を害する行為として慰謝料が発生することがあります。

法的根拠や裁判例を交えて詳しく解説します。

2-1: 性交類似行為による慰謝料の法的根拠

性交類似行為による不倫慰謝料の法的根拠について解説します。

不貞行為の侵害対象となる権利は、「婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益」です。

この権利が侵害されると、不法行為(民法第709条)として慰謝料の支払い義務が生じます。

性交類似行為も、夫婦関係の平穏を著しく害する行為と見なされるため、この権利の侵害に該当します。

具体的には、配偶者以外の異性とキスや口淫(オーラルセックス)、前戯、裸で抱き合うなどの行為を行うことで、夫婦間の信頼関係が破壊されることが問題視されます。

このため、性交類似行為による不倫慰謝料請求は、法的に認められるケースが少なくありません

もっとも、性交類似行為による不倫慰謝料の額は一般的な不貞行為と比較して低額になる傾向がありますが、数十万円から200万円程度の慰謝料が発生する可能性があります。

性交類似行為でも、夫婦関係の平穏を守るための権利が侵害されることを理解することが重要です

2-2: 性交類似行為による慰謝料を認めた裁判例

性交類似行為による慰謝料を認めた裁判例について紹介します。

実際の裁判例では、肉体関係がない場合でも、性交類似行為によって夫婦関係の平穏が害されたと判断され、慰謝料の支払いが命じられたケースがあります。

例えば、東京地裁平成23年4月26日判決では、配偶者以外の異性と胸や陰部などを触るような性的行為、ホテルに行き、一緒に風呂に入ったり、身体に触れるなどの性的行為が問題となりました。

この裁判では、性交を伴う不貞関係にあったとは認め難いが、これらの性交類似行為が法的に保護されるべき婚姻生活の平穏を害するものと認定され、100万円の慰謝料支払い義務が認められました。

このように、性行為まではなくとも、性交類似行為がなされた場合には、性交類似行為によって夫婦関係の平穏が害されるため、慰謝料の支払義務が認められるとする裁判例もあり、今後もこのような裁判例が増えていくのではないかと予想されます。

3: 性交類似行為の慰謝料の相場は?

性交類似行為による不倫慰謝料の相場について、具体的な金額や金額を左右する要素、減額の可能性について解説します。

3-1: 性交類似行為の慰謝料の具体的な金額

性交類似行為による慰謝料の具体的な金額について説明します。

一般的に、不貞行為に比べて性交類似行為の慰謝料は低額になる傾向があります。

具体的には、性交渉を伴う不倫の慰謝料の相場が数十万円から300万円程度であるのに対し、性交類似行為の場合は数十万円から200万円程度が相場とされています。

これは、性交類似行為が肉体関係を持つ不倫と比較して、行為の悪質性が低いとされるためです。

しかし、個々のケースによって慰謝料の額は異なります。

例えば、キスや前戯、裸で抱き合う行為が長期間続いた場合や、それが配偶者に対して大きな精神的苦痛を与えた場合には、慰謝料の額が高くなる可能性もあります。

したがって、具体的な金額は状況に応じて異なることを理解しておくことが重要です。

3-2: 性交類似行為による慰謝料の金額を左右する要素

性交類似行為による慰謝料の金額を左右する要素について解説します。

まず、交際期間の長さが重要な要素となります。長期間にわたって性交類似行為が続いていた場合、慰謝料の金額は高くなる傾向があります。

また、婚姻期間の長さも影響します。長い婚姻期間中に性交類似行為が発生した場合、配偶者に対する裏切り感が大きくなるため、慰謝料が増額される可能性があります。

さらに、性交類似行為が離婚の原因となったかどうかも重要です。

離婚に至った場合、通常は不倫慰謝料の金額がかなり高くなることがあります。

その他、性交類似行為発覚後の不誠実な対応の有無も影響します。

例えば、性交類似行為を隠蔽しようとした場合や、謝罪や反省の態度が見られない場合には、慰謝料の額が増額されることがあります。

これらの要素を考慮し、慰謝料の金額は個別のケースに応じて異なることを理解することが重要です。

3-3: 性交類似行為による慰謝料の減額の可能性

性交類似行為による慰謝料の減額の可能性について解説します。

まず、減額の可能性がある場合として、性交類似行為が一時的なものであった場合が挙げられます。

例えば、一度きりのキスや前戯など、継続的でない行為であれば、慰謝料の減額が期待できることがあります。

その他にも、性交類似行為による不倫に関して、もともと夫婦関係が円満でなかったり、婚姻期間が短かったりと減額事由がある場合には、慰謝料の減額の余地が大きくなります。

また、配偶者が慰謝料の請求に対して過剰な要求をしている場合や、証拠が不十分である場合にも、減額の余地があります。

さらに、被害者側に過失がある場合も、慰謝料の減額が認められることがあります。

例えば、夫婦関係が既に破綻していた場合や、配偶者が性交類似行為を黙認していた場合などです。

慰謝料の減額ができるかどうかは過去の裁判例などに照らして請求額が裁判で想定される金額も高いのかどうかという点にかかっているので、減額交渉を進めるためには、弁護士の助言を受けることが有効です。

弁護士は、法的な視点から適切なアドバイスを提供し、交渉を有利に進めるサポートをするため、弁護士に相談・依頼することによって減額可能性を高めることができるのです。

性交類似行為を理由として不倫慰謝料の請求をされた場合、慰謝料減額の可能性を探るためには、まずは法律の専門家である弁護士に相談することが重要です。

4: まずは弁護士に相談・依頼するべき

性交類似行為による慰謝料問題に直面した場合、まずは弁護士に相談・依頼することが重要です。

法的な助言を得ることで最善の解決策を見つけることができます。

4-1: 性交類似行為による慰謝料の支払義務の確認

性交類似行為による慰謝料の支払義務が本当にあるのか、まずは弁護士に相談して確認することが大切です。

性交類似行為が具体的にどのような行為に該当するのか、そしてそれが法的に不貞行為と認められるかどうかを専門家の視点から判断してもらいます。

弁護士は、具体的な事情を聞いた上え、不法行為(民法第709条)に基づき、婚姻共同生活の平和の維持という権利が侵害されたかどうかを評価します。

また、慰謝料の支払義務が発生する可能性がある場合、その金額や支払い条件についても具体的なアドバイスを提供してくれます。

こうした相談を通じて、自分の立場や状況を正確に把握し、適切な対応策を講じることが可能になります。

弁護士の助言を受けることで、無駄な支払いを避けるだけでなく、正当な権利を守ることができます。

4-2: 性交類似行為による慰謝料の減額交渉

性交類似行為による慰謝料が請求された場合、弁護士の助言を得て減額交渉を行うことが有効です。

性交類似行為の具体的な内容や状況を考慮し、慰謝料の額が適正かどうかを見極めるためには専門家の知識が必要です。

例えば、性交類似行為が一度きりのものであった場合や、被害者側に過失がある場合など、減額の余地がある場合があります。

弁護士はこれらの状況を法的に整理し、証拠を集めて適切な交渉を行います。

また、慰謝料の支払い方法や分割払いの提案など、支払い条件についても柔軟に交渉することができます。

弁護士の交渉力を活用することで、被請求者としての立場を守りつつ、適正な解決を図ることができます。

4-3: 最善の解決策を見つけるために

性交類似行為による慰謝料問題の最善の解決策を見つけるためには、弁護士のサポートが欠かせません。

法的な知識と経験を持つ弁護士は、複雑な状況を適切に整理し、最も効果的な対応策を提案してくれます。

例えば、慰謝料の支払義務がある場合でも、交渉によって支払い額の減額や分割払いを実現することが可能です。

また、法的手続きが必要な場合には、裁判所での手続きや書類の準備などを全面的にサポートしてくれます。

弁護士に依頼することで、精神的な負担を軽減し、迅速かつ適切な対応を取ることができます。

最善の解決策を見つけるためには、まずは弁護士に相談し、自分の状況を正確に把握し、法的な助言を受けることが重要です。

こうして、適切な対応を通じて、問題を円満に解決することができます。

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